
葬儀、お墓、お布施、いずれも費用がかかる(高い)というイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?
一方で、それぞれが何の為に行うのか、何のために存在するのか?をきちんと理解し、納得したうえでお金を出している人は非常に少ないようにも思います。
「本来お墓は立派である必要はなく、葬儀は費用をかけずとも出来るものでありお布施も1円以上で良いものなのです。」
こう話すのは早稲田にある龍善寺のご住職。
龍善寺では、歴代の住職が眠る墓を一般の方々も利用できる永代供養墓として、お一人様の場合7.5万円、ご夫婦の場合10万円という金額で提供し、年間管理費をお支払いすれば何年でも利用できるユニークなプランを設けています
ただし、この仕組みを利用する場合には条件があります。
それは、永代供養墓に納骨する前に、必ず龍善寺の本堂で葬儀を行う事なのです。
すでに葬儀を終えている場合でも必ずです。
えっ?!ということは、また葬儀費用が必要なの?と思ってしまうのですが、確認すると実は葬儀費用は、皆様のできる額で構いません。ご自身でお決めくださいということなのです。
この条件の真意は
龍善寺の永代供養墓に納骨するにあたって
龍善寺の本堂できちんと葬儀という意味のある儀式を行い
御経をあげ、法話を聞いて頂くことで、お墓、葬儀の意味を理解して頂くことは当然の務めである
という考えが根本にあり、いわゆる葬儀社を呼んで祭壇を用意してといったことが全く必要ないのです。

例えば、火葬後に龍善寺の本堂で葬儀をすれば、本堂にはすでに極楽浄土の荘厳があるわけで祭壇や装飾は必要なく、葬儀社を呼んで色々な手配をする必要もないのです。
このスタイルは龍善寺の考え方が如実に表れており面白いところです。
お布施についても、あくまでお布施ですので1円以上です。
と住職は言い切ります。
そうは言っても、1円だとまずいんじゃないの?と思いその点を伺うと龍善寺住職は、
「お布施は、施主ができる精一杯の額ですから、皆様の精一杯の額は、皆様ご自身しか分かりません。
しいて言えば、よく仏様とご相談なさってください。
お布施は、別の言葉でいえば「喜捨」です。「喜捨」になっているかどうかが重要です。」
と言われます。
「いくらであろうと、お勤めする内容に変わりはないです」
とこれまたはっきりと言い切ります。
よく他のお寺では、
「お寺を守っていくためにもコストがかかるため、お布施もある程度の金額を頂かなければ立ち行かない」
という“お布施の金額の理由”を耳にするのですが
この件について、龍善寺住職に水を向けると
「それはお寺の怠慢で、きちんとお寺を維持していくためにお寺側が努力すべきであり、お布施の金額を指定するのは筋が違うと感じます」
と、多くのお寺にとっては耳の痛いであろう厳しいご意見でした。
取材全体を通して、真宗大谷派のお寺として真宗大谷派の本来の葬儀やお墓、お布施の考え方を一人でも多くの方に伝え、布教活動を通して人々のお役にたちたい
という住職の意志が感じられる今どき少ない芯のあるお寺だなと感じました。